派遣法改正案に潜む企業の評判を損なう要因とは

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企業にとって都合の良い法案は…

今国会会期は9月27日まで延長され、安倍首相が労働改革の柱の一つに位置づける労働者派遣法の改正案も参院厚生労働委員会で審議中です。ところで、この派遣法改正案ですが、企業にとっては、何かと都合のよい法案となりそうです。しかし、会社の評判を考えると「企業にとって都合が良い」法案にこそ、慎重な対応が必要です。

派遣法改正案とは

現在、提案されている労働者派遣法の改正案とは次のようなものです。まず、専門26業務とその他の業務という区別を撤廃し、一律に①事業所単位の期間制限と②個人単位の期間制限を設けています。

つまり、これにより、派遣先の同一の事業所における派遣労働者の受入れは3年を上限とし、それを超えて受け入れるためには過半数労働組合等からの意見聴取を必要とします。また、派遣先の同一の組織単位(課)における同一の派遣労働者の受入れは3年を上限とすることになります。

派遣法改正案の問題点

本来、派遣労働の期間制限は、派遣労働があくまで一時的・臨時的なものであり、正社員の代わりに派遣労働者を使うことを許さない(「常用代替防止」)という観点から設けられたものでした。しかし、今回の改正案では、派遣受け入れ期間を3年とはしていますが、部署を異動させれば同じ労働者をずっと派遣社員として雇用することが理論上は可能になります。

逆に法律を盾に「3年で雇い止め」にすることも可能なわけで、これでは派遣労働から抜け出せなくなるという指摘もあります。企業にとって都合のいい改正案であることから、これが成立することでリストラが促進する流れになると懸念する声もあります。すでにドイツでは、派遣の受け入れ期間の上限を撤廃した結果、10年もかからずに派遣労働者が2倍以上になったという事例もあります。

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厚生労働省:労働者派遣をとりまく現状と課題について

倫理上の規範もリスク

ここで取り上げたいのは、この法案に賛成か反対かではなく、改正案がどこかの時点で可決された場合、企業はどう対応していくかを考えておく必要があるということです。すでに議論されているように、企業が改正案の盲点を突いてくることは想定されますが、盲点を突く、法律の抜け穴を探すという姿勢で私たちは評判の良い企業であり続けられるのかということなのです。

例えば、法律を利用して、部署を異動させながら同じ労働者をずっと派遣社員として雇用する企業が出てくるでしょう。以前は、そうして企業側だけが法を熟知して運営することが問題になることはなかったことも、今は誰もが簡単にネットへ書き込み出来る時代。いくら企業が「運用上問題ない」とした場合でも、法律をよく知らない社員から「違法」と書かれたり、法に詳しい社員からですら「法律スレスレの運用」などと書かれたりするわけです。

転職口コミサイトへの投稿

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「転職口コミサイト」なるものをご存じでしょうか?転職会議カイシャの評判Vorkersなどが有名です。会社の評判を匿名で自由に書き込めるため、転職の際の会社選びに参考にする人が増えています。これらのサイトでは人事評価の適正感、給与水準、働きやすさ・・・など様々な面から書き込みがされています。書き込むのは元社員や現役の社員などで、自分の思うがままの評価を投稿します。

もちろん、派遣社員の書き込みも多く見られます。自らの待遇、時給から他の社員の派遣社員に対する態度など、中には企業にとっては好意的ではない書き込みもあります。派遣社員の場合、複数の企業で働いた経験のある人も多く、他社と比較した書き込みは閲覧する者にとってはとても興味を引くものになります。また、社員の目から見た会社の派遣社員への扱いについての書き込みもあります。

困ったことにこれらの書き込みは、内容が正しいか正しくないかは閲覧者にはわかりません。「悪事千里を走る」というように会社の悪口などの情報は簡単に広まっていきます。事実、弊社のもとにも転職口コミサイトに投稿された悪意ある内容によって採用に悪影響が出て困っているといった企業からの相談が年々増えています。転職と同様に新卒採用向けの口コミサイトもあり、中途採用だけなく新卒採用にも影響がでるケースもあります。

改正案によって招かれる事案

そういった状況も踏まえて、労働者派遣法の改正案により、企業に降りかかってくるリスクを避けるためには今後起こりうる事態を予め想定してくことも大切ではないでしょうか。
例えば、改正案の問題点の1つとされる「派遣労働者が3年を過ぎて同じ職場で働きたいと思っている」場合の対応。理論上、企業は、3年ごとに人か事業所を変えれば、企業は永続的に派遣雇用を続けることができますが、企業としてはどう対応すべきでしょうか?

或いは、期間の定めなく同じ職場で働いてきた専門性の高い専門業務の派遣労働者の契約が3年となります。引き続き雇用はしたいが、派遣先の企業の同じ部署で働ける期間は3年です。この場合、双方にとって最善の対応とはどうあるべきなのでしょうか?

また、理論上、派遣労働者は3年ごとに新しい職場を探さなければなりませんが、派遣労働者の中には将来は正社員になりたいという希望を持っている人も多くいます。その要望について企業としては、検討すべきなのでしょうか?

風評被害は起こる前に備えよ

インターネットが発達し、誰もが自分の意見を簡単に発信することが可能になった現在、発信されるものの中には企業の評判を脅かすものも多く潜んでいることを決して忘れてはいけません。これは自社の商品やサービスに限った話ではありません。社内の雰囲気や待遇、人間関係といった内部の者にしか知り得ない情報までもが外部へと公開され、評価の対象になっています。そして、このようなサイトへの投稿、閲覧は共に、今後益々増えていくものと思われます。

風評対策はなるべく早期に取りかかるというのが鉄則です。原因となるサイトをできるだけ早く見つけ出し、適切に対応していくことが被害を最小限に食い止めることにつながります。しかし、更に良いのは風評被害が起こらないよう、常に備えておくことです。思わぬ風評被害にあわないために、派遣法改正案に対しても十分考え抜かれた準備をもって対応すべきではないでしょうか。

ソルナ株式会社 広報部

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投稿者プロフィール

このコラムは風評被害・誹謗中傷対策会社のソルナ株式会社・広報部から発行しています。

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